Road to Melaka - ラベンダーのバス停 [移動]
シンガポールチャンギ空港(Singapore Changi Airport)に成田空港から到着した時はすでに真夜中を過ぎていた。0時20分。ほぼ定刻の到着である。
飛行機の搭乗ゲートを出ると、通路にエアコンは効いているもののやはり南国の熱気と湿度が感じられる。この感覚は台北だろうが、KLだろうが、バンコクだろうが同じだ。長時間のフライトで空気そのものに敏感になっているのだろう。南国の空気が目的地に到着したことを告げてくる。
シンガポール(Singapore)にはこれまでも何度となく足を運んでいる。ほとんどが仕事でだ。一時、アメリカから日本を経由して飛んでくる機会がかなりあった。その場合も今回と同じようにユナイテッド航空(United Airlines)で飛んでくることがほとんどで、時間帯も同じ、真夜中の到着が多かった。
着陸間際、チャンギ空港を見下ろすと、漆黒の闇の中に、海沿いの空港の照明がきれいに浮かび上がってくる。今晩も同じような光の出迎えだった。違うのは今回はプライベートで飛んできたということだ。
いつもは入国審査・荷物検査を終了するとタクシーでそのままダウンタウンの宿泊先へと向かうのだが、今回はそのまま空港内に留まることになる。明日の朝一番の地下鉄で、マラッカ(Melaka)行きのバスを捕まえることが出来る駅に移動する予定だからだ。
この飛行機が到着する真夜中、すでにシンガポールの地下鉄のMRTは操業を終えてしまう。マラッカ行きのバスの時間もあるので、いずれにせよ空港内で、MRTが動き出す朝まで待つことに決めていた。
ほとんどフリーパスの荷物検査を終えて到着ホール(Arrival Hall)に出ると、夜中にもかかわらず到着客を迎える人達が立ち並んでいる。手に手に到着客の名前を書いたカードを持っている人がいるが、ユナイテッド航空のせいか米国系の名前が多いようだ。
そのような出迎えの人ごみを抜けて、自分はMRTの入り口まで行って見ることにする。時刻はもう0時半を過ぎていてすでにMRTは走っていないことは分かっているのだが、明日の朝のためにも入り口は確認しておきたい。MRTの入り口に行くと、案の定、ゲートの入り口はすでにうす暗くなっている。
周りを見回すと長椅子がほうぼうに設置されており、何とか横にもなれるようだ。すでに横になっている人も見受けられる。旅行客のような人もいるが、地元の人の方が多いようだ。
Plaza Premium Loungeという有料の休憩所もすぐそばにあり、少し心をそそられたが、自分も長椅子に横になって朝まで過ごすことに決めた。エアコンの噴出し口から降りてくる風が思いのほか冷たい。
熟睡したときに荷物を盗まれないようにと思い、荷物の肩ベルトを腕に通して眠ろうとしたが、浅く少しは眠れたものの熟睡までは出来なかった。結局、MRTが走り出す午前6時よりずっと前、4時過ぎには起きだしてしまう。
清潔なトイレで顔を洗い歯も磨いた。鏡に映る自分の顔を見るとやはりかなり疲れている。成田空港までの国内の深夜高速バスでの移動と、そしてここシンガポールチャンギ空港での仮眠と、二晩まともに眠っていない。その疲れが顔にすっかりと現れている。今日もこれからマラッカへのバスでの移動となるが、夜には少なくとも宿で横になって休めるだろう。
チャンギ空港からのMRTの始発は6時少し過ぎだった。目的の駅はラベンダー駅(Lavender Station)という場所である。
途中、チャンギ空港行きのMRT枝線がMRT本線と交わる駅で、初めて屋外に出た。そのホームに立ったとき、シンガポールに到着して初めて南国の空気に直接さらされた。
まだ6時半程度という朝早い時間だが、車内にはこれからダウンタウンの方向に仕事で向かう現地の人達がすでに多く見られた。プライベートで初めてシンガポールに訪れ、観光客として現地の人の中に立つと、何となく居心地が悪い感じがするものだ。
ラベンダー駅はダウンタウンの手前の場所だ。
右も左も分からない状態で駅の外に出る。高速バスが何台も待機している風景をイメージしていたが、周りを見回してもそのようなバスターミナルは見えない。MRTの改札を出た地下の通路の何軒かの店の中に、旅行代理店のような店もあり、そこに尋ねようとも思って地下にまた戻るが、まだ午前7時程度の時間であり、店の人が見当たらない。
小一時間ほど待った後、やっとやってきた旅行代理店の女性にマラッカ行きのバスを聞くと、自分の店では扱っていないという。場所を尋ねると、ここから大分と離れた場所からそのバスは出ているようなことを言われた。
外に出て、現地の人を何人か捕まえて聞くと、大体の方角は分かった。かなり遠く離れていると言われたが、急ぐ旅でもない、その方角に向かって歩き始めた。
道々、本当に高速バスのバス停などはあるのだろうか不安に駆られながら歩くこと30分ほど、ようやくとそれらしい場所に行き着くことが出来た。
View Bus Station - Lavender St. in a larger map
バスのチケット販売ブースが何棟か並んでいて、マラッカ行きのバス時間を見ると早い時間のバスが午前8時出発とある。チケットブースもまだ開いていないので、空腹を癒すために食事を取れる場所を近場に探し、カフェのような食堂でビーフンセットのような食事を取った。2.6SDだった。
8時少し前、チケット売り場に戻るとチケットを販売していた。同じ値段で時間帯は二つ。当然早いほうの8時の出発のバスにする。値段は20SDだった。
Road to Melaka、マラッカに向けての移動が始まった。
(高速バス等のこと ペナン島、日本から安価に移動できる.. )
コメント 0