SSブログ

ラジオ深夜便の沢木耕太郎氏 [旅の雑感]

二日間に渡ったラジオ深夜便の沢木耕太郎氏の対談「〔明日へのことば〕ボクが追い続けてきたもの」が今朝の放送で終わった。昨日と今日との続けての午前4時の起床で、いつもの早起きの自分もさすがに少し辛かったが実はほっとしている。
 
初日がキャパをメインにおいたお話で、今朝はカシアス内藤とのその後的なことをメインにおいたお話。そして、二日間に渡って「凍」の山野井夫妻とのあれこれについても言及された。

始めての氏の作品との出会いは他の大多数の方と同じであろう「深夜特急」シリーズ。その後にある方のある寄稿文で「チェーン・スモーキング」を知りそれを読んでみて、それ以外の氏の作品も読み始めるようになった。作品集である「路上の視野」の単行本も書棚に眠っていて、ときどきつらつらと読むこともある。残念ながら最近はとんとこれも、そして新刊本も読んでいないが。

氏の文章の魅力は、表現は適切ではないかもしれないが、氏が目にすること聞くことに対する、氏のストイックな文章表現であろうかと思う。装飾が徹底的に排除され、余計なものを削ぎ落した文章が、かえって読むもの(自分)の興味をそそり、主題に対して、時には主題以外のものに対する心地良い没入感を与えてくれる、と言ったところだろうかと思う。扱われているテーマ自体も言うまでもなく秀逸だ。

今日の印象に残った言葉は「偶然」というもの。これに対して、対談のお相手のアナウンサーの方(お名前を失礼ながら失念)がとても上手な表現をされていて、その「偶然」に出会った時に「しなやか」に対応されている、ということ。

氏は何かの著作の中でよく走るということを述べていた。新宿かどこかのバーで早朝近くまで飲んでいて、その後に同行の方に驚かれながらも走って帰った、という下り。これはもう氏が若かりし頃の話であろうが、実はつい先日のキャパのNHK特集番組でも、すらっとした体型で無駄のない動きを見ていたのだ。例えばキャパが、終戦間際のドイツのライプツィヒでの市街戦で撃たれ死亡したドイツ兵を撮影した部屋を氏が訪れ、そこを自分で撮影されながら邂逅するシーンがあったが、そこでの動きは今でもある程度の運動を続けているであろうという感じのするものであった。

そんなこともあり、このアナウンサーの方の「しなやか」という表現は、氏に対してとても適切であり、そしてルポルタージュという取材が絡み、つまりは体を使う仕事をうまく表しているような気がしたのだ。

二日間、ありがとうございました。

以上、
2013年4月26日 金曜日 午前7時半
 

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

朝の友、AMラジオライド: 近隣ライド ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。