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疾走するカモシカを君は見たことがあるか... [散歩・登山]

最近、早朝に起きて散歩する習慣ができた。居住するこの東北都市圏の団地は、奥羽山脈へとつながる低山の上に位置し、割合と奥深い山中に接している。この季節、初夏が間近な季節の早朝は、ウグイスをはじめ、美しい野鳥の声にあふれ返っている。

 

早朝の散歩は午前4時少し過ぎに起床し、片道2km程度の山中にある、静かに佇まう神社へのお参りも兼ねている。

ここ二・三年だろうか、特に信心深い自分ではないが、神社やお寺に行く機会があると、割りあいときちんとした拝礼をするようになった。神社で二拝二拍手一拝の礼をするときは、手指を腿の脇にきちんと伸ばして行っている。何か具体的なことを祈願したりしているわけではなく、できるだけ無心になり、且つ、きちんとした心で拝しているつもりだ。この団地の近くには、この山中の神社のほかにも二神社、合わせて三つの神社があり、週末にはやはり早朝の4時位に起床して、三社お参りのジョギングをしたりもしている。

さて、おとといのこと、この日もその神社に散歩がてらのお参りにいき、帰りに山中の道から団地の道路に出て自宅に向かっていると、後ろの方から、馬が舗装路を走るときにでる”パカッ、パカッ、パカッ”という音が突然聞こえてきた。犬でも走っているかと急いで振り向いてみると、白い毛に、頭がうっすら黒い感じの、犬には見えない動物がこちらに向かって走ってきている。瞬間的に(カモシカだっ!!)と分かった。実はこの団地の近くのこの山では、カモシカが割りと頻繁に見られる。山際に位置する小学校と中学校の生徒の中には、授業そっちのけで山を歩くカモシカを探すものもいるようだ。

この突然現れたカモシカ、自分に向かって走っていたが、舗装路の曲がり角をくいっと曲がり、山中に向かって消えていった。無事に山に帰るであろうと思い、また帰路を歩き始めたが、しばらくして斜面の下の団地の方を見ると、今度は山の違う方向の藪からまた同じカモシカが出てきて、もっと広い団地の大通りを悠々と歩き始めたではないか。

早朝のため走る車もなく、道路の真ん中をパカパカパカと心地よい音を立てて歩いている。また山に戻るだろうと考えながら帰路を続け、少しの間視界から離れると、もう姿が消えている。今度は無事に戻ったかと思うと、視界の上の、団地の広い草むらの斜面を、気持ちよさそうに、颯爽と走りながら横切っていくではないか。薄もやが掛かる中、疾走するカモシカの白っぽい体が草むらの緑に映え、まるで野生馬を見ているがごとき心持だった。誰もいない早朝の薄もやと静けさの中では、このカモシカと何か夢のような時間を共有しているような、幸せな気持ちを味わうことができた。

熊、あるいは肉食動物のような危険な野生動物ではなく、カモシカのようなおとなしい動物だから持つことのできる気持ちであろう。家ではミニウサギを飼っているが、このウサギと接するときに感じる癒しの気分と共通する気持ちであった。

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これは別なときに、岩手の早池峰山の林道で目撃したカモシカ。おとといのカモシカは何となく子供のような感じだった。

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これは早池峰山。

 


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