ペナン島、一応は南国? [旅の雑感]
ペナン島はその昔(または今も?)『東洋の真珠』と呼ばれていたらしい。どうしてそう呼ばれたかは分からないが、その言葉からは南国に浮かぶきれいな島というイメージが沸いてくる。しかし、現在においてもこの言葉に妥当性があるかは少々疑問だ。
ペナン島を知るものにはそれぞれの思いや感じというものがあるだろう。
自分の場合はペナン島訪問の目的のかなりの部分が仕事で占められており、現地の訪問先もバヤンレパスなどのビジネス工業地帯が多かった。そのため『東洋の真珠』という言葉を聞いても素直にうなずけないところが正直なところだ。
また、『東洋の真珠』や『南国の島』と聞けば、普通の人はきれいなビーチを思い浮かべるのではないだろうか。ペナン島も、到着後に、さんさんと輝く南国の太陽に照らされたキラキラ光る海を一目見れば、あー南国の島に来たな、と感じるだろう。
だが、いざ空港からペナン島のリゾート観光地のバツーフェリンギに到着し、その海水を眺めると、大抵の人は若干の失望を感じてしまうだろう。『ビーチリゾート条件=白い砂浜+透き通った青い海』というのが普通だと思うが、その『透き通った青い海』という部分がそのとおりではないからだ。
どうしたものか、おそらく地質や海流、あるいはスコールなどの雨が若干の土砂を海水に混ぜてしまうからか、海があまり透き通ってはいないのである。汚いということはないと思うが、『ビーチリゾート条件』の一つが欠落していることに、それを求めて来た人に若干の失望を与えてしまう。残念ながら自分自身もそうだったし、また知る限りの知人もそうであった。
それでは南国としての気候はどうであろうか?
個人的には、これは文句なしに合格だと思う。
太陽ぎらぎらで日差しがきびしく、とにかく暑いのである。(英語になるが気温・湿度の情報はこちらを参照願いたい: Penang - Wikipedia)
日が差す通りを歩いていると、自分の影が自分の真下にしかないことに気づく時が多かったが、そんな時は、ぎらつき太陽にあぶられながら、あー赤道の近くにいるのだな、という感慨をいつも持ったものだ。
だが年がら年中晴れているわけではなく、モンスーン気候帯なので雨季もある。先のWikiの雨量データで見ても、4月と5月、それに8月から11月が雨季のように見える。せっかく訪問するのであれば雨の少ない時期を望む人も多いだろうし、実際その方がベストであろう。
しかし、自分の経験からは雨季には雨季の良さがあると思うのだ。
雨季だからと言ってずっと雨が降り続くわけではなく、スコール>晴れ>スコール>晴れのパターン天気であり、雨季でも晴れ間が十分にある。また日本ではあまりお目に掛かれないスコールを体験することも出来る。
とにかく降るときにはこれでもかと徹底的に降る。それがとても気持ち良く感じる。まさしくバケツをひっくり返したように降りそそぐ大雨。それが数分後にはぎらつく太陽がまた顔を出す。そんなパターンの繰り返しが多い。
むしろ、ずっと天気が続くよりは、このような大雨のスコールを味わえるほうが、南国に来ていると感じたりはしないだろうか。一度、海辺にあるホテルの窓からスコールを眺めていたとき、海に雷が落ちて(本当に落ちたかわからないが)一瞬海が真っ白に見えたときがあった。静かな部屋で大雨の音を聞きながらそんな景色を眺める。これもとても心地よい南国の時間だったと思う。
さきほど海の透明さについて述べたが、実はペナン島にも海がきれいなところはある。
島の北西の角、ここにPenang National Parkという自然公園があるが、この公園の散策路を通って島の西側に面するビーチに行ける。ここもすごく透き通っているというわけではないが、十分にきれいだったと思う。
View Penang - Light House in a larger map
機会を見てこの公園もいつか紹介したいと思う。
まとまり無くなったが、ペナン島は間違いなく南国の島である。
ただ、安宿に泊まる際にはその暑さに注意が必要であろう。自分の場合は、夜の暑さに耐えられなくなり、徐々に眠れなくなるという問題に直面した。若干高くなるが安宿でもエアコン付きの部屋はあるので、あまり無理をせずに睡眠は十分に取るようにした方が良いであろう。
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